『カーズ2』・・・あくまでメーターの物語として

これまでまったく興味のなかった1作目をふとしたきっかけでDVD鑑賞し、その名作ぶりに5年にわたった自分の食わず嫌いを心の底から後悔したのが先月のこと。
ピストンカップ優勝を目指すワガママレーサーのマックィーンが、再レース会場へ向かう途中に立ち寄ったラジエーター・スプリングスで出会う街の車たちとの交流を通して友情や恋や相手を敬う心を学んでいくという成長物語が素晴らしかった。決勝レースラストラップでのマックィーンの行動には、危うく涙腺が決壊させられそうに・・・。

さて、そんな感動物語の続編となるのが本作。
今回の舞台はピストンカップではなく世界三ヵ国を巡るワールド・グランプリ。F1マシンやラリーカーも参戦するいわば異種格闘戦。ロードありダートありの複合コースをマックィーンがどう攻略していくのか、またラジエーター・スプリングスの仲間たちがどんな活躍を見せてくれるのか・・・と、てっきりそのあたりがポイントになるだろうと思った私の予想は冒頭から覆され、終わってみればマックィーンのレース話よりも、彼の親友メーターが巻き込まれるスパイアクションのほうが本筋であった（笑）

マックィーン目線で描かれるレースと、メーター目線で描かれるスパイ戦。二つのストーリーが並行して進んでいく序盤はたしかに面白かったのだが、これがまともに交差しないままで終わってしまったのは残念。ワールド・グランプリの裏で悪事が進行しているのだから、やはりマックィーンもレースに参加しつつ捕り物にもっと絡んで欲しかった気がする。

まあマックィーンに対する物足りなさについては主役がメーターのスピンオフだと思うことができれば問題ないし、実際子供たちにはメーターもけっこう人気キャラらしい。メーターが最初に登場した時などあちこちで「メーター！」とチビッコたちの声があがったことからも、子供たちには満足できる第二弾となっているのかもしれない。

前作で想定外の感動を味わってしまった私には少々平凡というか、感情を湧き立たせるようなインパクトはだいぶ弱いと感じた。
シンプルながら感動させるツボを確実に押さえていた前作をあまり引き合いに出さずに、あくまで番外編、あくまでメーターの物語として楽しむのが正解だろう。

Comments

[BROOK]

実は私は１作目を観ないまま鑑賞しました。
どうもピクサー作品は観ず嫌いなもので･･･（苦笑）
「カールじいさん」は好きだったのですが。

「カーズ２」は全体的にテンポ良く進み、スパイアクションが盛り込んであったので、まずまずの面白さでした。
ただ、ワールドグランプリの方をメインにして欲しかったような気もします。

[SOAR]

BROOKさん、こんばんは♪
BROOKさんがトイストーリーを一本も観てないのがどうしても信じられない私です（笑）

メーターを主役にした時点でレースメインの話は成り立ちませんから、ラセターにしてみればどっちを取るかってことだったんでしょうね。
もちろん面白い作品でしたけど、個人的にはやっぱり1作目のほうが断然イイと思います。

[みぃみ]

こんにちは。
私もメーターとマックィーンが協力して、そこにレースの試合と陰謀が絡まって。。。な展開だと思っていました。
今回の主役は、メーターでしたね。
しかも、マックィーンのライバルフランチェスコもとってもいいやつでしたし♪。
気取ってるけど、ちょこっと天然？なキャラクター、微笑ましかったです。
メーターと引き裂かれる場面とくっついて絶対離れないぞ～！な場面にうるうるしつつ、ほっこりな気持ちになりました。
バーで飲んでるカクテルも車仕様なのと、あのトイレ車バージョンに工夫しているなぁと感心。
トイレで悪に襲われる展開、実写でも多いですが、アニメしかもディズニーにも登場に、好きなのね～と。。。(^^)。

[SOAR]

みぃみさん、こんばんは♪
序盤のメーターのKYっぷりに正直かなりイラついてしまいまして（笑）
マックィーンは前作でもレースでとてもいいライバルに出会いますよね。やはりそっちをメインに“いい話”にして欲しかったなと思います。

トイレって個室あり、配管あり、窓あり、水道あり、掃除用具あり・・・って感じで、戦闘のための武器や仕掛けの宝庫なんでしょうね。