『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』・・・今回はヴェルヌとスウィフトとスチーブンソン!?

お父さんと男の子で観に行き大興奮、お母さんとお姉ちゃんの冷めた視線もなんのその・・・とまあそんな映画である。都合よく訪れる危機を都合よく回避していく3Dアドベンチャー。いちいち揚げ足を取るのも大人気ない。ここはひとつ素直な心で楽しみましょう(笑) 要するに子供向け全開な作品である。それでも導入の“神秘の島”に至る謎解きの過程はシンプルながらちょっとばかり興奮してしまった。そもそも本シリーズ…

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『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』・・・“I Have a Dream 私には夢がある”

第84回アカデミー賞において4部門(作品・主演女優・助演女優・助演女優)にノミネートされ、ミニー役のオクタヴィア・スペンサーが見事助演女優賞を受賞した本作。60年代アメリカの人種差別問題という重いテーマを描きながらもその作風はコミカルで力強く、希望や温かさにあふれる好印象の一本。 黒人メイドの存在を白人女性たちがどうとらえているのか、ここに登場人物それぞれの個性があるのが興味深い。若い女性…

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『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』・・・ライヘンバッハとその後

ホームズとワトソンの人物像に関する固定観念を鮮やかに覆してくれた前作から2年。楽しみにしていた続編がいよいよ公開となり、ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウによるあの名コンビが再びスクリーンに帰ってきた。 いやーおもしろかった! コナン・ドイルだとか謎解きミステリーだとか、そういう予備知識は忘れてしまったほうが楽しめるのは前作同様。また前作で若干気になった中だるみも今回は皆無で、とに…

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『ヒューゴの不思議な発明』・・・映画で映画を語る

第84回アカデミー賞で5部門受賞に輝いたマーティン・スコセッシ監督の話題作。 時計台に隠れ住みながら父の残した機械人形をコツコツと修理する日々を送る孤独な少年ヒューゴは、玩具屋ジョルジュとその養女イザベルに出会う。イザベルが持っていたあるアイテムにより動き出した機械人形が描いた一枚の絵をきっかけに、ヒューゴとイザベルはジョルジュの意外な人物像に迫っていく。 こうして始まる寡黙な少年と活発…

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『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』・・・ブランコの向こうに

賢いがちょっと変わった行動を取ることのある少年オスカー。9.11のテロ事件で大好きだった父を亡くした彼に残る心の傷だ。最愛の父を失った悲しみを乗り越えられないでいた少年はある日、父のクローゼットで封筒に入った鍵を見つける。かつて父と遊んだ調査探検ゲームの思い出が、少年を鍵穴探しの旅に駆り立てる。 封筒にメモ書きされた「black」の文字をゲームのための父親のヒントだと思い込んだ彼は、NYの…

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『TIME/タイム』・・・歪んだ“適者生存”の原理

まさに“時は金なり”が具現化された近未来。人々は25歳で成長が止まると同時に左腕の“時計”が起動し、残り寿命のカウントダウンがスタートする。 この世界の通貨は金ではなく時間なのだ。人々は生きるために時間を稼ぎ、コーヒーを飲むのもバスに乗るのも、支払うのは時間。収支にあわせ腕に刻まれる余命も増減するようになっていて、半永久的な時間を持ち豪華な生活を送る富裕層と、日払いされる時間でとりあえずその日…

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『はやぶさ 遥かなる帰還』・・・順繰り

M-Vロケットに搭載され打ち上げを待つはやぶさ内部をボアスコープが巡るオープニング。最初にアップになる電子基盤上の小さな部品こそが、後にイオンエンジン全停止というプロジェクト最大の危機を救うことになるクロス運転回路のダイオードだ。次いでボアスコープはX軸のリアクションホイールも映し出す。 宇宙に飛び立つはやぶさがこの先体験する様々な出来事にかかわってくるこうした部品たちを最初に見せるアイデアに…

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『ペントハウス』・・・年金運用にご用心!

最近まであまり興味もなかったのだが、やたら流れるようになったTVCMに感化され観ることに。 うーん、なんともビミョーなおもしろさ。ハズレとまでは言わないものの、ベン・スティラーやエディ・マーフィならではの陽気な楽しさとか、あの手この手で財産を取り返す爽快感とか、そういうのをとことん味わえると踏んでいたのでその点ではイマイチだったなあ。 年金を含め財産を成金のショウに奪われたことで従業…

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