『ALWAYS 三丁目の夕日'64』・・・東京タワーと新幹線とブルーインパルスと

巣立ちがあれば別れがある。夢をつかむとき、新しい出会いに胸を躍らすとき、悲しいかな別れは付き物なのだ。昭和の風情も懐かしい人情ドラマの第三弾。今回もたっぷり笑い、そしてたっぷり泣かせてもらった。 すっかり御馴染みの夕日町三丁目の面々だが、淳之介と一平がすっかりお兄さんらしくなっていてちょっとびっくり。彼らの成長は50年代から60年代への時の移ろいをうまく感じさせてたりもする。 60年代、…

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『ロボジー』・・・ドモアリガトーミスターロボット(懐)

2012年最初の映画鑑賞は私の大好きな矢口監督の鈴木さんシリーズ(?)最新作! これまでの作品のような終盤へ向けての盛り上がり感は少々控えめだが、笑いと感動のツボをうまくおさえたストーリー展開はやっぱり矢口監督ならではの面白さ。“ジジイとロボット”というある意味対極の存在がよりによってひとつになることで起こるドタバタを交えたハートウォーミングストーリーは絶品。たっぷり楽しませてもらった。 …

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2011年の映画を振り返って

今年1年間の劇場鑑賞回数は偶然にも昨年と同じく54回。3作品をリピート鑑賞したので作品総数は51本(そのうちレビューは49記事で落稿2本)。 地元2館に集中して通ったほか、今年は出張先での鑑賞も実に9回。休日を挟む出張が発生した場合何より気掛かりなのは、もはや仕事の内容ではなく宿泊先周辺に映画館があるかどうかである(笑) さて、それでは僭越ながら今年も洋・邦織り交ぜてのマイベスト10…

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『ニューイヤーズ・イブ』・・・というわけで、よいお年を!

良くも悪くも期待通りの作品。スター俳優が一堂に会しての群像劇としては昨年の『バレンタインデー』のほうが好みではあるが、さらっと観てちょっといい気分になれる後味のよさという点はこちらも同じ。あとは出演俳優の好み次第で観た人の評価が決まるんじゃなかろうか。 素敵なラブストーリーや人間ドラマを一度に堪能したような心地よい満足感。一つ一つの物語はこじんまりとありふれた物かもしれない。けれどそこで展…

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『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』・・・真のリーダー

1941年12月8日、帝国海軍の下す苦渋の決断によりこの国は戦争へと突入した。太平洋上機動部隊空母6隻の攻撃隊一波二波合わせて約350機がオアフ島真珠湾を目指す。 対米戦回避をギリギリまで唱えながらもこの奇襲攻撃を立案することになる山本五十六が、連合艦隊司令長官就任からブーゲンビル島上空で戦死するまでに何を見つめ、何を憂い、何を思いながら戦争への道を進んでいったのか。真珠湾攻撃、ミッドウェーの…

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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』・・・チームあってのイーサン・ハント

脱獄から始まって核攻撃阻止で終わるという何とも大胆なストーリーがとにかくおもしろい! 回を重ねるごとに目立ってきたイーサンのワンマンぶりや、派手なアクション、凝ったギミックで魅せるというスタイルが本作では適度にリセットされた感ありで、シリーズお約束でもあるこうした要素が控え目になったことが意外にも好印象である。 クレムリン爆破事件に居合わせたことが原因で、IMFだけでなく政府自体の後ろ盾…

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『リアル・スティール』・・・繰り出せ三連コンボ!

往年の名作『ロッキー』の興奮と感動を思い起こさずにはいられない情感あふれる人間ドラマと劇的なクライマックス。 それぞれに生きる気力を少しずつ見失っていたチャーリーとマックスが、廃工場で見つけたロボットATOMとの出会いを通して活気を取り戻し、同時に互いの絆を深めていくという王道ストーリー。これがまた実に気持ちいい。 廃棄されていた型遅れの小さなスパーリング用ロボットがあれよあれよと勝ち進んで…

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『50/50 フィフティ・フィフティ』・・・身近なガン患者への接し方とは

ガン患者を主人公に据えた作品だが、壮絶な闘病物語でもなく、その生死をめぐる感動号泣ドラマでもない。世話役を買って出たはずの恋人は去ってしまうし、親友も影で涙を流すどころかガンをネタにして悪ふざけの日々。担当となった新米セラピストもどこか頼りない。 それなのに観ているうちに心がポカポカと温かくなっていく展開が実に爽やか。ストーリーにドラマチックな起伏のある作品ではないのだが、ガンを告知された青年…

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